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REPORT
PREVIEW
 きれいな顔はもう見飽きた。
 いつのまにか世の中にはきれいな顔ばかりになってしまった。
それは生き様と同じようなものだ。質はいいけど、均質でどれも同じような顔ばかりだ。かっこつけたスマートな顔や生き方ばかりじゃなんだかおもしろくない。もっと自然でおもしろい顔や生き方がいっぱいあってもいい。
 汚いと言われる顔はただ汚いだけじゃない。実はそんな顔のほうがおもしろくて強い魅力がある。少しおかしくて怖い顔には敬意をこめて異形(いぎょう)と呼びたい。そんな顔ばかりを片っ端から描くことによって、スマートできれいななにかに異議を唱えたかった。
(展示中のキャプションから)

展示形式は異形の顔を数十点壁に重ね合わせるようにして、むせ返るような熱さを表現する。作品一点は 32×41 cmの水彩紙に墨とアクリル、チョークなど使用して約112点描いた。制作方法は数点配置した紙に一気に墨で描いてゆき、乾いた後にチョークなどで締めてゆく。片っ端から描くので大量に描いていい作品だけを選んでゆく。そういったスピード感を殺さずに一気に描くことを心がけた。
 核になる作品は三年以上前の作品だ。それに現在描いた作品を混在させた。紙はできるだけ反らせて、紙の性質を強調するように処理した。乱雑に貼り合わせた手法だけじゃなく、紙の生命力も生かせるように暴れてもらうことにした。これは制作直前にソウルを旅したときの、混沌としたアジア的カオスに強い影響を受けたからだ。

 展示に際してはギャラリーの構造を強く意識に入れて設営した。ギャラリーは後方の控え室に向けて左側に大きく出入り口が見えていた。壁にただ貼れば強い壁に負けてしまう。そのような点を考慮して大きな板を建てた。縦は天井に近い2.5m横は4.3mの板だ。これを左右の壁から均等に建てることによって緊張感のあるオブジェに仕立てることができた。これが今回の展示が成功した大きな要因だ。

10月15日



 「異形の集団 展」から。2007年10月2日から14日まで
京都 ヴォイスギャラリーにて開催された。